知っておきたい「高額療養費制度」のこと

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 今回のテーマは「高額療養費制度」について。高額療養費制度っていうのは、日本の公的医療保険で、月々の自己負担額の上限を定めた制度です。これがあるから日本人はめちゃくちゃ恵まれてる!って言う人もいるんですが、実はこの制度には落とし穴があります。

 そこで今回は、この高額療養費制度の概要について説明します!
 そしてこの制度に潜む落とし穴と、「自己負担に上限があるなら民間の保険はいらないんじゃない?」っていう疑問にもお答えしますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

この記事はこんな方にお勧め

  • 民間の医療保険を検討している方
  • 民間の医療保険を見直したい方
  • 「保険なんていらない!」派の方
  • リベラルアーツ大学の両学長に感化されている方。
目次

医療保険を考える前に知っておきたい「高額療養費制度」

3割負担でも上限がある!

 「日本の健康保険制度では自己負担は基本3割だし、月々の医療費支払額にも上限があるから医療保険は不要だ!」
 民間の医療保険不要論と唱える人は、だいたいみんな口をそろえてこんな理由を挙げています。

 たしかに、日本の公的医療保険では月々の医療費の支払額には上限があって、その仕組みのことを高額療養費制度といいます。

適用区分ひと月の上限額
年収約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:旧ただし書き所得210万~600万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者35,400円
69歳以下の方の上限額(2023年10月現在)

 たとえば、現役世代で月々の収入が30万円くらいの会社員Aさんの場合ですと、医療費支払額の上限は

 80,100円+(医療費-267,000)×1%

となります。ですからAさんが入院して4月の医療費が全部で300万円かかったとしても、実際の支払額は

 80,100円+(300万-267,000)×1%=10万7430円

というふうに、まぁ割と支払えない金額でもなくなるんですね。
しかも、過去12か月以内にこの上限額が3回以上適用されていたら(多数回該当)、4回目以降の負担額はさらに少なくなります。先ほどのAさんの場合だと、4回目以降の上限は4万4400円になるんです。

所得区分ひと月の上限額多数回該当の場合
年収約1,160万円~の方252,600円+(医療費-842,000)×1%140,100円
年収約770万~約1,160万円の方167,400円+(医療費-558,000)×1%93,000円
年収約370万~約770万円の方80,100円+(医療費-267,000)×1%44,400円
~年収約370万円57,600円44,400円
住民税非課税者35,400円24,600円
69歳以下の方の上限額(2023年10月現在)

「高額療養費制度」の落とし穴

 でも高額療養費制度があっても安心しきってはいけません。ここからは高額療養費制度で気を付けるべきことをおつたえしておきます。

① 上限額は暦上の月で適用される

 高額療養費制度では1回の入院や手術で上限額が適用されるわけではありません。暦上の月ごとに上限金額が適用されることになります。ですから先ほどのAさんが4月~5月にかけて入院し、その医療費が4月に150万円、5月に150万円の合計300万円かかったとしましょう。その場合の自己負担額は、

 4月分:80,100円+(150万-267,000)×1%=9万2430円
 5月分:80,100円+(150万-267,000)×1%=9万2430円
                  合計 18万4860円
となってしまうんですね。
 同じく医療費が300万円かかったとしても、もし月をまたがなかった場合の自己負担は10万7,430円ですから、実に7万7,430円も自己負担が多くなっていることになります。
このように、月をまたいでしまうと自己負担額が大きく増えてしまうことになるんです。

② 入院と外来、医科と歯科で医療費を通算できないことがある

 先ほどのAさんの例を続けます。ちょっとややこしいですが、4月中に入院して医療費が300万円(自己負担10万7430円)かかったとします。その後、同じ4月中に2回通院して、それぞれ医療費が6万円かかった場合、入院費とは別に通院は通院で6万円の3割負担(1万8000円)×2回分を支払う必要があります。1回の通院で自己負担が2万1,000円以下であれば、入院費と通算して高額療養費を適用することができないからです(70歳以上の人を除く)。

 ただし、1回の通院で自己負担が2万1,000円を超えるものについては、高額療養費に通算することができるようになっています。先ほどの例だと1回の自己負担が1万8,000円だから、残念ながら通算できないんですね。(自己負担2万円程度の通院が続くと結構辛いことに……)

 同様に、病院(医院)での医療費と歯医者さんでの医療費も通算できないことがあります。

③ 上限額があっても毎月続くと負担が重く

 先ほどのAさんが長期間入院して、高額療養費の上限額が1年間ずっと適用される状況を想定して、年間の医療費の総額を計算してみましょう。その場合、最初の3か月間の自己負担は

80,100円+(医療費-267,000)×1%

ですので、約10万円です。そして4か月目以降の上限は4万4400円ですから、単純に計算すると69万6,000円が年間の自己負担額になります。

 月給30万円程度の方にとって、この金額はかなり痛手になってくるのではないでしょうか。
 しかもこれは、あくまで「公的保険適用分」だけの話。公的保険が適用されない部分については、別途支払う必要が生じてしまいます

④ 公的保険適用外の費用を侮ってはいけない

 入院にかかる費用はすべて公的保険の対象というわけではありません
 公的保険適用外となるもののうち、いくつかをご紹介します。

  • 入院時の食事代
    1食につき460円、3食×30日で4万1,400円、365日だと50万3,700円です。
  • 入院したことによってかかる雑費や日用品代
    パジャマ等をレンタルすればその分お金がかかります。私が入院した時は1日500円程度でした。
  • 差額ベッド代
    少人数の部屋を希望した場合に適用されます。
  • 保険適用外の治療費や手術代、先進医療の技術料
    病気の治療のためでも保険適用外になるものがあります。代表的なものが、先進医療と呼ばれる治療法です。たとえば重粒子線治療でしたら、その技術料314万円は全額自己負担となります。
  • 家族の見舞いの交通費

公的保険と民間保険を組み合わせて、最適な備えをしよう!

 日本の公的医療保険は充実したものになっています。特に高額療養費制度は、私たちが入院したり手術を受けたりすることになった際、家計を大いに助けてくれるものに違いありません。

 しかし、ご紹介したように高額療養費制度は万能ではありません。実はこの部分を補ってくれるのが、民間の医療保険や就労不能保険などといったものです。公的医療保険をベースにしながらも、このような民間の医療保険なども組み合わせて、上手に医療費を賄っていけるよう備えておきましょう!

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